小学校の3年と4年のときの担任のW先生は、体操が得意な方だった。
4年生の時、体育で男子はバク転に挑戦することになった。4年生は全部で30人、そのうちの男子14人が挑戦したのだ。それまでにバク転ができる子は、クラスに数人しかいなかった。
W先生は、愛車のカバーを持ってきて、それを補助に使い指導してくださった。私がやったとき、左手の小指がカバーにひっかかり、ビリッと破けてしまった。「あっ!」 その瞬間の同級生の顔、先生の顔をよく覚えている。
私たちは、学校の帰り、田んぼの端にワラが山のように積んであるところを見つけ、そこで練習したりもした。
9月になり、先生が恐ろしいことをおっしゃった。
「4年生の男子は全員、運動会のとき、運動場の真ん中に出て、一列に並んでせーのでバク転をしなさい」
これにはまいった。
私は練習でもあまりうまくできたことがなかったからである。しかも、大勢のお客さんの前で、しかも下が地面だし・・・
今だったら、考えられないなぁ、怪我するよ。
しかし、当日は男子全員気合が入り、多少曲がって回った子もいたが(私も)、なんとかそれをやり終えたのである。
私たちは何かあったらどうする、と事無かれ主義に走ってしまいがちだが、たしかに怪我をする、事故を起こしたら・・・と言い出すと何もできなくなってしまう。
まぁ、当時は学校で怪我をしてもそれを問題にするような保護者はいなかったということもあるのだろうけど。
ちなみにこのクラスは30人のまま、小1~小6までを過ごし、出席番号は6年間ずっと同じ番号だった。今でも、何番は誰、と頭にしっかり刻み込まれている。