パスケル:今日は冬の星座の話をしました。
特にオリオン座にまつわるギリシャ神話は面白かったよね。
生徒:(ニコニコしながら)ええ、とっても。
パ:ところで、オリオン座のわきの下の位置にあるベテルギウスは、地球から
約600光年離れているんだ。
生:ろっぴゃくこうねん?
パ:光は1秒で30万km進むって習ったよね。この速さで進むと月までは1.3秒
ぐらいで行ける。太陽までも8分20秒で行ける。その光が1年かかって進む
距離が1光年だ。年と付いているけど、距離の単位だ。
要するに今夜見るベテルギウスの光は600年前にベテルギウスを出て、今、地
球に届いているということだ。
生:えっ そいじゃ私たちが今見ているベテルギウスは600年前の姿ってことで
すか?
パ:そー! その通り。ベテルギウスというのは赤色超巨星といって、そろそろ
超新星爆発するんじゃないかと言われている。もし600年前に爆発していた
ら、今夜その瞬間を見ることができる。また、今この瞬間に爆発したら、600
年後にそれが見られる。
生:うわぁー! 今夜見てみようっと!
パ:さて、もし今ベテルギウスのあたりに瞬間移動できたとするよ。
そして、超高性能な望遠鏡で地球が見られたとする。
例えば425光年離れたところに行けば、425年前の地球を見ることができる
はず。つまり1600年に起きた関ヶ原の戦いをライブで見られる!
生:えええ! すごい!
パ:まぁ瞬間移動もできないし、そんな望遠鏡もないし、関ヶ原の戦いがあった
9月15日は霧が出たりしてたから見えないかもしれないけどね。
他の星や銀河なんかは1万光年とか、1億光年とか離れている。130億光年とか
離れている銀河なんかは宇宙が誕生した時の直後に近い光を見ていることに
なる。
こんな風に、夜空を眺めて星を見たとき、それらの光はすべて過去の光を見て
いることになるんだ。
生:はぁー そんなこと一度も考えたことなかった。
パ:それだけじゃないよ。今、君たちの目には私の姿が見えてるが、これは照明
の光が私に当たって反射した光が君たちの目に届いている。
いくら光の速度が速いからと言っても、光がこの距離を行くのにもほんのわ
ずかだが時間がかかる。
ちょっと計算してみよう。
光の速さは30万km/秒、つまり300000000m/秒だ。
今、私から3m離れたところにいるA君、私に反射した光が君の目に届くのに
かかる時間は
3÷300000000=0.00000001秒
これを10ナノ秒という。こんな風に書くよ(黒板に 10n秒 と書く)
秒→ミリ秒→マイクロ秒→ナノ秒と1/1000になっていく。
要するに、君たちは私の10ナノ秒前の姿を見ているということです。
生:そうすると先生も私たちの10ナノ秒前の姿を見ているということですね。
パ:その通り!
10ナノ秒の覚え方を作ったから覚えてしまおう。
『3m離れたら自由なの』
「自由なの」は「10ナノ」ってことね。
ちなみに長さでもナノは使うよ。生物で習った細胞膜の厚さは約10nmだ
から、これもセットで覚えておこう。
『細胞膜は自由なの』
生:なるほど、覚えやすいですね。あまり使う機会はないような気がします
けど・・
パ:まぁ、そういうこと
ナノ・・・かな(笑)